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こだわりもプライドも手放そう。中野善壽『ぜんぶ、すてれば』の感想・レビュー

2021年9月3日 2021年11月19日

「ぜんぶ、すてれば」感想レビュー

最近、自分は物を必要以上に持ちすぎてるのでは?と疑問を持ち始めた筆者です。

洋服や漫画、ぬいぐるみetc・・・

物が多いと頭や心の中もゴチャゴチャしてくる気がしませんか?

ミナ
ミナ

潔く物や考えを手放して、何にも執着しない生き方がしたい!

そう考えていたところ、今回ご紹介する本「ぜんぶ、すてれば」に出会いました。

このインパクトあるタイトルからして「断捨離についての本?」と思いがちですが、違います!笑

違うんだけど、何かに執着することで悩んでいる人は読んで損はないというか、「こういう考え方もあるのか」という気づきが得られるかと1冊です。

こんな人にオススメ!


・物や考えに執着していて悩んでいる人
・こだわりが強すぎると感じている人



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「ぜんぶ、すてれば」ってどんな本?

本記事で書籍の紹介記事を書くのは7つ目の筆者。

ここまでは実験や科学で裏付けされている心理学や、習慣術などの本を読んで紹介してきましたが、今回手に取ったのは「寺田倉庫」の元社長、中野さんの本でした。

寺田倉庫は元々、天王洲アイル一体に倉庫をたくさん持っていた会社。今ではそのスペースを使って天王洲アイル全体をアートの街にした革新的な会社です。


私は天王洲アイルに友達が住んでおり何回かお邪魔して、TYハーバーでランチしたり、去年は寺田倉庫内で開催されたスターウォーズ展に行きました。

街の至るところにアートが施されていたり作品が設置されていたり、建物内も雰囲気の良い場所が多く、一言で超簡単に言うと「オシャレな街」という印象です。


そんな寺田倉庫の元社長である中野さんの言葉がいくつも記された本が「ぜんぶ、すれてば」。

ミナ
ミナ

自叙伝的なスタンスでなく、個人的なイメージとしてはテレビで毎週やってる「セブンルール」のようなスタンスかと!

とは言っても本書に書かれているのは7つのルールではなく、約80以上の中野さんが大事にしているルールや信念のようなものがラフに記されています。



「ぜんぶ、すてればの感想レビュー

「ぜんぶ、すてれば」感想レビュー

印象に残ったことがありすぎて何を紹介するか迷うところですが、ここでは「その考え方かっけー!」と個人的に思ったポイントをピックアップしてご紹介していきます。

人を信じる

自力にこだわらない。他力を借りれば、なんとかなる。

中野さんは寺田倉庫の社長になるまでに様々な企業で働いてきました。

その内の1つである伊勢丹に中野さんが就職して5年目のこと。

海外への進出が決まり、香港へ転勤。新たな店舗の従業員集めなど、やることがたくさんあるのに英語は喋れないし土地勘もない。


そんなときに中野さんが取った行動とは、日系航空会社の地元従業員に声をかけてご飯に誘うこと。

しかも1回でそのナンパが成功したかと言うとそうではなく、相手にされるまで続けていました。


そして「ご飯くらいならいいよ」と付き合ってくれた女性に事情を話すと、現地のネットワークを色々と紹介してくれたのです。

ミナ
ミナ

この行動力と一度決めたらとことんやるのが中野さん式!

全く知らない土地に行くことも厭わず、現地で途方にくれるのではなく、人の力を借りられるように自ら動く。1回断られてもまた挑戦して話しかける。

本書の中で「僕は自分を助けてくれる人をどこでも見つけるのが、すごく得意なんです」と話してますが、助けてくれる人を見つけるまではできる人はいるかもしれません。

でもそこから自分の力になってもらうよう話をして、実際に助けてもらえる関係になるところまでは、なかなかできる人少ないんじゃないでしょうか?

またプライドが高い人なら「全部自分でやってやる!」って考えちゃうところ、中野さんはプライドとか恐らく頭になく、すぐに「自分1人では無理だ」と理解して他人を頼ってます。

まあその頼り方が、いきなりやれと言われてすぐできるものではないけど笑

この自力でやることにこだわらない点と行動力は見習いたいですね!

人に頼むなら、信じて任せる。

中野さんの下で働くスタッフたちは優秀で仕事が早いそうですが、たまに中野さん的には簡単だと思って頼んだことが半日経ってもできてなくて、イライラすることもあるそうです。

それでもお願いしたのは自分だし、我慢するしかないと話す中野さん。

できたら褒めて、できなかったら我慢する。その姿勢を貫かないと、人に任せることはいつまで経ってもできない。

結果、自分一人で抱えて本当にやるべきことができなくなってしまう。

これ、会社で働く人なら実際に自分が出来ているかは別として、共感する人多いんじゃないでしょうか?

ミナ
ミナ

私も頼んだことが期日までにできてなかった時って、やっぱ怒るまではいかなくとも「あれってどうなった?できてない?」とか声かけちゃってました(圧かけて←)

あと結局自分でやるのが一番早いから人に任せず全て自分でやって、仕事がどんどん増えていって、最終的に自分の首を絞めるみたいなこともありました。

ちゃんと成果を出したければ任せ上手にならないとって本当にそうですよね~。自分の過去を振り返るとしみじみそう思います。



「自分」は失くさない

納得できないことは鵜呑みにしない。

若い頃から「納得できないことは鵜呑みにできなかった。」と話す中野さん。

たとえば、

・お店は10時開店なのに、なぜ毎朝9時に全員集合してなきゃいけないのか
→10時に間に合うように1人出勤していた

・車で出勤不可と言われてたが納得できず→来客用の駐車場に駐めて怒られる


など自分が納得できないことは、それがたとえ会社で定められたルールでも従わなかったそうです。

私も1社目で働いてたときに、「なんで出勤時間よりかなり余裕持って行って、先に色々チェックしなきゃいけないんだろう」とか、「休憩時間なのになぜ電話にでなきゃいけないんだろう」とかモヤモヤすることたくさんありました!

ミナ
ミナ

でも普通に従ってました(;^ω^)

私のようにほとんどの人が納得できなくとも従ってしまうと思うけど、中野さんは自分が納得できないことには絶対に従わなかったんです笑

これは正直難しいところですよね~。

ずっと前から決められているルールを自分だけの一存で変えるのは難しいし、下手したら社内で浮いてしまう。

でもそんなの関係なく、自分が納得できなければルールに従う必要なしと考えていた中野さん。すごいです。


迷いなく、やると決める。ただし朝礼朝改。

朝礼朝改は、朝に出した命令を夕方にはもう改めること。

中野さんはやると決めたら迷いなくやるけど、朝6時にスタッフに言ったことが2時間後には変わることもありそう。

「だって、モンゴルの草原では朝晴れていたって、昼には雪が降るかもしれない。すると、コートを着ないといけないでしょう。それからまた晴れて気温が三十度まで上がっても、コートを着続けるのはありえない。」

(中野善壽「ぜんぶ、すてれば」より引用)

つまり、状況が変われば行動も変えなきゃいけないということを述べているんですね~。

中小企業で働く人あるあるだと思ってるんですが、会社の方針がコロコロ変わることってありませんか?

ミナ
ミナ

私が以前勤めていた会社では、しょっちゅう会社の方針や上層部の言ってることが変わってました(;^ω^)

当時は「また変わったよ、なんなんだよ」とか思っちゃってたんですが、今思うとまさに「状況が変われば行動も変えなきゃいけない」ってことだったんだと感じます。

会社や世の中の状況に応じて対策が変わるのは当たり前のことなのに、あのときはなぜコロコロ変わるのか、と会社に対して怒りや疑念を感じていました。

でも中野さんのこのモンゴルのコートの例えで、凄く腑に落ちた自分がいます。

スマホを捨てる。自分を失くしたくないから。

スマホは情報が多すぎて余計な時間をとられてしまう。結果、自分が処理できる以上の情報をついつい扱うことになってしまい、いつの間にか自分を失くしてしまう。

だからスマホ生活を捨ててガラケーを使っていると言う中野さん。

私はというかほとんどのスマホをすでに持ってる人は無理だと思うけど、「自分が処理できる以上の情報をついつい扱うことになる」に共感する人は多いのではないでしょうか?

調べれば無限に情報出てくるし、調べなくてもSNSを開けばいらなくてもいい情報が勝手に目から頭へ流れ込んでくる。

そしていつのまにか「もっと役に立つ情報はないか」「もっと面白い情報はないか」「もっと暇つぶしになる情報はないか」と満腹なはずなのに飢えを感じる。

昔はスマホやガラケーがなくても毎日楽しく生活できてたのにね。

ミナ
ミナ

最近、スマホを触る時間が長くなってきて危機感を覚えてます(;'∀')

あらゆる情報を常に見れる環境だったり、他人の考えをすぐに確認できる環境っていうのは本当に必要なときだけうまく使わないと、自分の個性や考えまでいつの間にか塗りつぶされそうですよね。

かつそれに気づかないまま生活が続くとなると怖いですよね。

スマホ生活を捨てるのは難しいので、うまく必要なときだけ使うように心がけたいものです。



一か所に縛られない

 ふるさとに縛られるのも、幻想でしかない。

故郷にこだわることで得られるものもあるかもしれないけど、失ってているものも大きいかもしれないと話す中野さん。

土着と言う考えは、元をたどると時の政治家による土地政策がもたらしたもの。

例えば江戸時代だと各地の生産性を維持し、江戸への必要外の流入を防ぐために土地を与えて、寺などに地域の文書的役割を作りました。

人の管理と生産管理の一環でしかなかったのに、それが個人が土地にこだわるようになるきっかけとなったのです。

例えば、土地に縛られなければ外国だってどこだっていつでも飛び立てるんですから。

(中野善壽「ぜんぶ、すてれば」より引用)

私は今まで「地元」に憧れていました。

というのも小学1年の時に親の転勤で福岡へ引っ越し、高校2年でまた東京へと戻ってきてそれからずっと東京で生きてきました。(今は結婚して千葉だけど)

福岡は自分の育った地だと考えていますが、地元ではない。

小学校中学校の友達はみんな福岡だったので、東京に戻ってきても近隣に友達がいない、幼馴染もいない。近隣の行きつけのお店だったり、夕日が綺麗に見える場所だったり、街の珍スポットとか全く知らない。

ミナ
ミナ

東京に戻ってきてからも高校大学では友達に恵まれて楽しい時間を過ごしたけど、旦那だったり友達がそれぞれの「地元」の話をすると、いまだにとても憧れてしまいます。

でもこの中野さんの「ふるさとに縛られるのは幻想」と言う言葉を聞いて、少し心が軽くなった気がします。

逆に自分は地元がないから、周りを気にせず縛りもなく、自由にどこへでも行きやすいのかもと思えるようになりました。



人生の航路はなりゆきで。

中野さんは台湾で暮らし始めて25年以上経ちます。

海外で暮らそうと考えたきっかけは「会社を辞めよう」と決めたことでした。

当時勤めていた鈴屋を辞めると決めた次の日には、飛行機に乗ってシンガポールへ。

シンガポールで暮らす予定でしたが、中継で台湾に1時間ほど上陸。その際に「ここでもいいや」と思い、そのまま台湾に住みつくことになったそうです爆

ミナ
ミナ

ツッコミどころ満載ですが、まず会社辞めようってなった次の日に海外へ飛ぶって行動力よ笑

そして自分が暮らす場所はきっとどこでもいいのでしょうね。

自分の身一つあれば、どこでも一からやっていけるであろう中野さん。

コネもなくその日泊まる場所も決めておらず、そのまま入国して暮らし始めて早25年。そのままちゃんと職を得て生活できてるのがすごいですよね笑

私からするとぶっとびすぎてて非現実的ですが、羨ましくも思います。


おわりに

おわりに

いかがでしたか?

本書で語っているやってみてダメだったものは仕方ない。諦めて次に行こうとかどんな形にでも変われるしなやかさを持つことが秘訣というのが、中野さんの真髄なんだろうなと感じさせてくれるエピソードがまだまだたくさんあります。

・今日を、生きる
・ぜんぶ、捨てる
・あるがまま、働く
・なりゆきで、営む
・今を、楽しむ

この5つのタイトルに沿って読み進めていくのですが、1つ1つの項目が短く語り口調なので読みやすいです!

大事にしているルールや信念を、中野さんの恐らく普段使ってるであろう口調でラフに記されていて、随所に散りばめられているエピソードは光景が頭に浮かんできておもしろいです。

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